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中小企業経営者への法務実務アドバイス(第99回) 「休日出勤しましたよ!」
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S社の業務は、突発的な保守や修理対応が生じるため、会社や社員の時間外労働への認識が甘いと、残業や休日出勤が必然的に多くなり今回のような労働基準監督署の指導となってしまいました。 労働基準法での労働時間については、社会保険労務士の項に詳細な説明がありますのでここでは省略いたしますが、S社の業務について、社員で対応する方法にかえて、業務委託を行ったと考えてみましょう。 業務委託で対応する場合には、会社と業務を受託する者のあいだに請負契約もしくはこれに準ずる契約でおこなうこととなります。 民法上、「雇用」とは、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約するもの、「請負」とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約するものとされています。 報酬を受け取る個人側の税務の取り扱い上、「雇用」の場合は、給与所得に該当し、「請負」の場合は、事業所得に該当します。 業務の遂行または、役務の提供には種々の形態がありますので、原則はその契約によって判定しますが、判定できない場合には、例えば、次の事項を総合勘案して判定することになります。 @他人が代替して業務を遂行すること又は役務を遂行することが認められるかどうか A報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるかなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く)を受けるかどうか。 B作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く)を受けるかどうか Cまだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供して役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。 D材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や伝道の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。 したがって、その個人の業務の遂行または、役務の提供について、例えば他人の代替が許容されること、報酬の支払者から時間的な拘束や指揮監督(業務の性質上当然に存在するものを除きます。)を受けないこと、引渡未了物件が不可抗力のために滅失した場合等に、既に遂行した業務または、提供した役務に係る報酬について請求することができないこと、および役務の提供に係る材料または、用具等を報酬の支払者から供与されていないこと等の事情がある場合には、事業所得と判定することとなります。 以上、国税庁 「情報:大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いに関する留意点」より抜粋 民法の定義は、(第623条) 雇用は当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方が之に対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。(第624条)請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。とされています。 S社の場合も、業務委託で対応する場合には、上記の「請負」の条件に当てはまる契約内容となるか、その場合の対価と社員の雇用の場合の給与との比較を検討することとなります。 S社については、会社と社員が、それぞれ状況を理解し、その解決策の策定および実施が急務でしょう。 具体的には、@現状のままでは、労働時間の上限を越えており労働基準法に沿っていないこと、労働時間が労働基準法で定められていることの意味を社員に理解してもらうこと、Aコインパーキングの保守管理という、突発的な対応が必要で、時間外や休日出勤が発生しやすい業態であるが、上司へ承認と報告、社員同士の情報の共有化など、時間外勤務を減らすための検討と対応策の策定、B対応策についてS社全体での理解と実行、になるでしょう。 S社は、もともと社長と社員の連帯が強い会社であるようです。今回の改善を通じて、社員が業務に対する理解を深め、会社と社員がともに意欲をもてば、業績を高めていけるきっかけとなることでしょう。 |
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