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中小企業経営者への法務実務アドバイス(第97回)
「新婚旅行に有給休暇15日だと…!
もう会社来なくていいよ」!!
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SRネット高知 (執筆担当は文末) |
| ■ 事例概要 |
| 入社3年目のK社員がE社の営業部長と話しています。「いくら新婚旅行だからといって、3週間も休まれたら困るなぁ…」「しかし、部長、結婚式が仕事の忙しい時期でしたので、あえて来月に旅行を計画したのです。なかなか行けない場所なので、私も妻も楽しみにしているのですよ、何とかお願いします、仕事の段取りやお客様への連絡は、責任もってやりますから…」と何度も頭を下げるK社員をみて、「仕方ないな、せいぜい楽しんで来い」と笑顔で答えた営業部長でした。K社員から感謝されてご機嫌な営業部長でしたが、K社員の有給休暇申請書がN社長に届いた途端、N社長から総務部長と共に社長室に呼びつけられました。「お前らは何をやっているのだ!書類に目も通さず、承認印を押しているのか?いくら新婚旅行だからといって、15日はないだろう…非常識だろ、他の社員がまねしたらどうなる、やっていけなくなるよ」と怒りながらもあきれ顔のN社長でした。「しかし、社長、Kも悪いことは分かっていますよ、いつも頑張っていますからから…」という総務部長を遮って「じゃあ、頑張っていないやつには有給休暇を与えなくてよいのか?」というN社長に、総務部長も営業部長も黙ってしまいました。「君たちは、わが社の後継者だから、しっかりしてもらわないと困る!法律は分かるが、わが社の業態で、全員が有給休暇持分をすべて消化されでもしたら、大変なことだよ、少しは考えないとな、Kが辞めるならそれは仕方ないこと、社風に合った人材ではない、ということだ…」N社長は一人で納得し、取引先へ出かけました。後に残った総務部長と営業部長は、しばらく話しこむと、意を決しK社員を呼びました。案の定、K社員は興奮し始め、「そんなことを言うようじゃ、誰も頼りになりませんね、これまでは黙っていたけど、法律を全然守っていないことを訴えますよ!」と説得どころの話ではなくなってしまいました。 |
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| ■ E社の概要 |
創 業 昭和58年 本社 高松市
社員数 11名 契約社員6名 パートタイマー8名
業 種 電化製品の販売
経営者像 大型量販店の影響を受けながらも、地域密着型サービスで業績を維持しているE社のN社長は67歳。残念ながら息子は後を継ぎませんが、番頭格の社員が2名いるため、後は彼らに任せようと思っています。 |
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| ■ 事故発生の背景 |
「有給休暇を取得しにくい環境づくり」を目指す中小企業は、まだまだ多いことでしょう。しかし、N社の事件は対岸の火事ではありません。
有給休暇の問題については、“目先の賃金負担”“最小限度の人員体制”“社員の定着”といろいろな要素を含んでいます。体力のない企業が、有給休暇の積極的な取得促進に取り組めるのは、いつのことでしょうか。 |
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| ■ 経営者の反応 |
| 「K社員が“退職して会社を訴える”といっています」泣きそうな顔で、総務部長と営業部長が社長の自宅に相談に来ました。その様子を近くで聞いていたN社長の長男は「いつまでも、そんな考えだから社員が定着しないんだよ、あきれたね、K君みたいな子はいないよ、みんなで気持ちよく休ませてやったらいいじゃないか、盲腸にでもなったと思えば、会社の体制なんていくらでもできるものさ…」と言い捨てると、あっけにとられる3人を尻目に外出しました。「確かに、ご子息の言うことが正解かもしれませんね…休まず働くことだけが良いことじゃないんですよ」と総務部長がつぶやきました。営業部長も「結果的に休ませるのなら、最初から気持ちよく休ませた方がよかったですね」と後悔しきりです。二人の話を聞いていたN社長は「感情論ではない、一度にそんな日数の休暇を請求してくることが非常識だといっているのだ、Kに許可したら皆に許可しなければならなくなる…それが困ると言っている、とはいっても、訴えられたら残業代をきちんと払っていないしなぁ…弱ったなぁ…」結局は、N社長も弱気になり、仕方なく3人で相談先を探すことにしました。 |
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