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中小企業経営者への法務実務アドバイス(第95回)
降格処分!
「私は悪くありませんよ、悪いのは社長でしょう?!」
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SRネット福岡 (執筆担当は文末) |
| ■ 事例概要 |
| 「今度採用したY君は、なかなかやり手だぞ…自分でコンビニを経営したこともあるそうだ、先月オープンした3号店を任せようと思うがどうだろう?」とW社のM社長が経理部長の妻に聞いています。「いきなりはどうかしらね…1号店でもう少し鍛えてからの方がいいと思うけど…」と経理部長は乗り気ではありません。「いやいや、責任を与えれば、やる気も出るし、やりがいもあるだろう、過去に失敗した経験があるから学習もしているはずだ…」M社長は妻を説得しました。その結果、入社2ヶ月目にして、Y社員は3号店の店長になりました。最初は付きっ切りで指導していたM社長ですが、Y社員の呑み込みが早いため、2週間もすると「後は任せた、来週からは飲料半額セールでもやってみろ」とY社員をたきつけて1号店へ戻ることになりました。Y社員が店長就任後、3号店の売上げはこれまでの1.5倍をしのぐ勢いです。「あいつはすごいなぁ…」とM社長が感心していたところに、3号店のパートから電話が入りました。「社長、いつまで半額セールをやるのですか?このままで大丈夫ですか…」どういうことかと、そのパートから話を聞いてみると、飲料だけでなく、食品や雑貨に至るまで、なんと“半額販売”をやっているとのこと。それでは売上げが上がるはずです。気絶しそうになったM社長は、やっとのことで3号店に電話をかけました。「すぐに半額セールをやめろ、お前は何を考えているのだ!」と怒鳴り散らしました。Y社員は悪びれることもなく「半額セールでもやってみろ、お前に任せた、といったじゃないですか…売り上げ好調ですよ…」としらけたものです。後で計算すると確かに売上げは上がっていますが、当然赤字の収支です。「私は売上げを考え、社長が収支をみて指示されると思っていたのですが…」Y社員の言葉にM社長は、また気絶しそうになりました。 |
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| ■ W社の概要 |
創 業 昭和52年 本社 北九州市
社員数 8名 パート・アルバイト38名
業 種 各種商品小売業
経営者像 はやりの100円ショップではありませんが、食料品から装飾品まで、さまざまな商品を取り扱うW社のM社長は62歳。まだまだ血気盛んで、社員の先頭になって働いています。店舗も3店を構えるまでになりました。 |
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| ■ 事故発生の背景 |
小規模事業の場合には、入社時教育が十分でないことが多く、ほとんどがOJTと個人の保有能力に賭けていることが多いと思います。「当然、わかっていると思っていた…」というのは、経営者の一方的な誤解であって、実際には「聞いていません」と返されてしまうことが多いのではないでしょうか。
輝かしい経歴の持ち主であっても、果たしてわが社でその能力が発揮できるのでしょうか、難しい問題です。 |
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| ■ 経営者の反応 |
「とにかく、君は1号店に戻れ、店長失格だ!」M社長の言葉に「社長の指示が曖昧なので、とりあえず売上げを上げることに集中したのです、すべて自分が責任を負わされるのはおかしいですよ、店長降ろされたなんて、はずかしくて近所も歩けないですよ…」Y社員が反論します。「仕入れも勉強しますので、もう一度チャンスをください」というY社員の言葉に「だめだ!明日から1号店勤務だ」とM社長が言うと「私は、このまま3号店で勤務します。社長は横暴です。これ以上何かされるようであれば、労働組合や労働基準監督署に行きますからね…」というY社員の言葉にM社長は何が起こったのかと思い、言葉をなくしてしまいました。
家に戻ると、妻からはそれみたことかと、さんざん文句を言われましたが、さすがに妻!しっかりと相談先も探していました。 |
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