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中小企業経営者への法務実務アドバイス(第59回)

〜「有給休暇期間中に就職しただと!?」
就職日以降の賃金を返せ!!〜


SRアップ21福岡 (執筆担当は文末) 


社会保険労務士からのアドバイス 税理士からのアドバイス
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事例概要
「もたもたしないで早く手を動かせ、俺が若い頃には先輩の後ろにくっついて仕事を盗んだもんだ。何かというと残業だ、有給だ、なんて…仕事ができるようになったら言ってこい…」今日もM社長の小言が始まりました。ベテラン社員は慣れていますが、若い社員にはかなり抵抗感があるようです。「そう言われても法律は法律だしね、頭にくるようなことを言わないで欲しいよな」という感じで、いつもぐちを言いながら、だらだら仕事しているようです。
「社長、今ハローワークから連絡があって、先月辞めたW社員が9/5に他社へ就職したので、うちの退職日を9/4に訂正してくれ、と言っていますが…」と総務部長が報告に来ました。
「確かWは、有給休暇を全部使って辞めたやつだな、退職日は9/25じゃなかったかな…」M社長は少し考えて「退職日を訂正したら、その日以降の賃金はWから返してもらえるのかどうか聞いて対応しろ」と答えました。総務部長はハローワークの担当者といろいろ話しましたが、結局退職日を訂正することなく電話をきりました。
M社長は「Wに9/5以降14日間分の有給休暇に対する賃金を返却するように内容証明を出せ、向こうが違法なことをしているのだから当然だよ」と総務部長に言いつけると、また仕事に戻りました。仕方なく総務部長が内容証明を出した3日後、W社員から電話がかかってきました。「在職中は有給休暇なんて利用できるような環境じゃないのはわかっているでしょ、せめて最後に当然の権利を行使するくらいいいじゃないですか、返金なんてしませんよ」と言われた総務部長は困ってしまいました。社長に報告すると「返すまで何度でも請求しろ、他の社員にも示しがつかない、兼業禁止の規定だってあるんだ。正しい主張をして何が悪い」と怒鳴られました。

S社の概要
創 業: 昭和46年 本社 福岡市
社員数: 51名(パートタイマー 17名)
業 種: 金属加工業
経営者像:一代でS社を大きくしたM社長は67歳、息子が常務で跡を継ぐ予定です。頑固で少しケチなM社長は、人生教訓を基にしたような社員教育を実践していますので、若い社員がなかなか定着しません。社員の平均年齢が高いS社です。
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事故発生の背景
M社長の考え方は正しいのでしょうか。総務部長もM社長に言われたままに動いていますが、ことを起こす前に適切な相談を行った方がよい事案だったような感じです。
退職時にまとめて残存有給休暇を請求するケースが中小企業でも多くなってきました。
この有給休暇期間中に転職先が決まることも多く、有給休暇の意味合い自体を経営者が理解できていない状況です。

経営者の反応
「社長、いくら通知を出してもWは何の連絡もよこしません。今後社員に注意すればいいのですから、もうやめませんか」と総務部長か進言しますが、M社長はなかなかあきらめません。「Wのように雇用契約を無視しておきながら、法律を盾にとって金銭を搾取するようなやつを放置しておけない。こうなったら訴訟を起こしてでも返させてやるかな…」と鼻息が荒くなっていました。「そうだ、相談できる先生を探して手伝ってもらってもいいぞ、この機会に退職時の有給休暇請求を何とか阻止できるような対策も教えてもらえ」と言うとニコニコ笑いながら仕事に戻っていきました。「俺が試されているのかな?」と、総務部長はいやな感じを持ちながらも、結果を出すべく相談先を探し始めました。
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