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中小企業経営者への法務実務アドバイス(第49回)

〜庶務の仕事はきりがない…「だから庶務なんだよ!」〜


SRアップ21東京 (執筆担当は文末) 


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事例概要
1年前に“庶務”で入社したK子は29歳。U社の社員の平均年齢は28歳と若く、K子以外は全員システム関係の仕事をしています。K子の仕事は掃除、お茶だし、電話の応対、郵便の受発信、おつかい等々と「何でも屋」的な存在のK子でした。このことは入社のときからわかっていたことです。
しかし…「私だけ皆より早く来て掃除をして、コーヒーを淹れて、お昼休みも机で食事して、電話があれば対応しなければならないし…、誰彼なく用事を言いつけるし、まるでお手伝いさんみたいだわ」と最近は沈んでいます。

あるとき会議室を掃除していると、次期昇給予定表が落ちていました。なにげなく見てみるとそこには驚愕すべき数字が載っていました。「いくら専門的な仕事といっても、常識がない23歳のP子がなぜ私の1.5倍も給料をもらっているのかしら…あっP子には残業代も出てる!」実は「庶務に残業してまでやる仕事はない」と社長からのお達しがありましたので、いくら早く来ても、遅く残っていてもK子には残業の定義がないのでした。
辞めることは簡単ですが、むしゃくしゃしたK子は、入社してからの自分の労働時間を集計し、社長と対決しようと決心しました。

2週間後社長室で社長とK子が対峙していました。「これが実働時間の合計です。毎日休憩がありませんから、その分も加算してあります。明日から有給休暇を使用してそのまま辞めますので、最後の給料で精算をお願いします」とK子が胸を張って社長に言うと、「君がやっていたのは仕事じゃないんだよ。雑用なんだよ。なぜそんなことに対して必要以上のお金を払わなければならないんだ?毎月20万円も支払っているのに何が不足なんだ?こんな楽な仕事はないだろうに…」

U社の概要
創 業: 平成2年 本社 東京都
社員数: 12名(契約社員2名)
業 種: ソフトウエアの開発業
経営者像:若くして会社を興したE社長は、自らの経験から「専門職に雑用をやらせるとモチベーションが低下する」という持論があります。各社員が自分の仕事のみに集中できる環境をつくることで、技術系社員の定着が良くなりました。
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事故発生の背景
職業や職種に貴賎はないはずですが、E社長はかなりの偏見をもっているようです。K子に対しての言動には、いろいろと問題があります。
残業に比べて、早出あるいは休憩時間中の片手間仕事は、結構見過ごされることが多いようです。メリハリのある労働時間管理が必要なU社です。もしかすると、システム系社員の中にも不満がある者がいるかもしれません。

経営者の反応
「まったくふざけている!話にならないな。有給でもなんでも使って辞めていいよ。」とE社長が言うと、K子は「それでは解雇ということですね」と負けていません。その後の会話もかみ合わず、ついにE社長は「君が会社のお金でお菓子などを買っているのも大目に見てやっていたのに…もう、どうでもいいよ。早く帰れよ」と突き放しました。

翌日、K子の父親と兄が会社に乗り込んできました。手こそ出さなかったものの、E社長と激しい言葉のやり取りを交わした後「法律通りに賃金を支払わなければ、出るところへ出るから覚悟しろ」と言って、K子の父親と兄は会社を後にしました。耳をふさいでいても聞こえるような剣幕でしたので、やりとりが聞こえたシステム系の社員たちは動揺していました。
二人が帰った後「少し言い過ぎたかな…」と、反省したE社長は善後策を練ってみましたが妙案が浮かびません。
「誰かに相談してみるか…」E社長は携帯電話を取り出しました。
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