企業のみなさまへ

労使トラブル診断
社内インディ制度コンサルティングサービス
社会貢献
unicef感謝状2008年
unicef感謝状2006年
unicef感謝状2005年
unicef感謝状2004年
メンバーズルーム
人事労務コラム・社長の部屋

中小企業経営者への法務実務アドバイス(第40回)

正社員と契約社員の違いは何ですか?
契約社員に対する処遇が火種に!!


事例概要
社会保険労務士からのアドバイス 税理士からのアドバイス
弁護士からのアドバイス FPからのアドバイス


社会保険労務士からのアドバ
経済状況が厳しい現在、多くの企業で従来の終身雇用制度や年功序列賃金制度の見直しが行われると共に、労働者の労働価値観にも変化がみられ、正社員ではなく契約社員として勤務を希望する若者が近年増加傾向にあります。

(1)「契約社員」について
「契約社員」とは、労働法上明確な定義はありませんが、一般的には採用や労働条件が期間の定めがない正社員と異なり、期間の定めのある雇用契約を結んだ労働者と解される場合が多いと思われます。
契約社員といえども、企業と雇用契約を締結すれば労基法上の「労働者」であり、正社員と同様に労働法の適用を受け、常時10人以上雇用する事業所に義務づけられている就業規則(法89条)の適用を受けます。
契約社員用の就業規則を作成し、届出があればその規則が適用され、ない場合は正社員用の就業規則が準用されますが、就業規則全部の適用か一部の適用か、が明確にされていなければなりません。この就業規則適用条項の差が正社員と契約社員の違いとなります。
現実的には企業側の意向が強く働き、多くの場合、契約社員は正社員との歴然とした賃金格差、契約期間中の身分の脆弱性、契約更新拒否などの不安の中にあり、労働条件を労使対等な立場で決定することは難しい立場にあることも事実です。

(2)契約期間の中途解約について
契約社員の特徴である雇用契約期間の中途解約については、民法上次のような制限があります。(民法628条)
1.やむを得ない事情がない限り、原則として使用者、労働者とも有期雇用契約を中途で解約することは出来ません。
2.使用者からの解約には、少なくとも30日前の予告(又は解雇予告手当の支払)が必要です。
(労基法20条)
※解雇理由によっては債務不履行による損害賠償として、残存契約期間の賃金相当額の支払が必要な場合があります。
3.やむを得ない理由により労働者から解約せざるを得ない場合は、使用者に納得のいく説明をしなければなりません。その理由によっては労働者の退職により使用者が被った損害に対し、使用者から債務不履行による損害賠償を請求される場合があります。

(3)本件について
同一職種、同一労働における賃金格差については、労基法上均等待遇の条文(第3条)がありますが、「正社員」「契約社員」が差別禁止の社会的身分に該当しませんので賃金格差があっても労基法に違反するものではありません。
しかし、弁護士の説明にあったように均等待遇の理念に照らし、契約社員の賃金が正社員の賃金の8割以下となっている場合は、許容される賃金格差の範囲を明らかに超え、その限度において公序良俗に違反するとの認識をもったほうが良いでしょう。
P社は専門カリキュラムを有する専門学校ですから、即ち講師の人達もその道のプロとして高い専門性と能力を有するものと推察できますので、それに応じた処遇は必要でしょう。
H社長の言には残念ながら正社員に比し契約社員が労基法上の「労働者」に該当するとの認識が薄く感じられ、就業規則の適用も明確でないように思われます。
常用労働者の過半数を契約社員が占めいる現状で、契約社員に対する対応を間違うと大きな労働紛争に発展する恐れがあり、休講による受講生への影響、学校のイメージダウンは計り知れないものがあります。
今後のP社のさらなる発展のためにも、双方納得のゆく契約社員就業ルールや評価、賃金制度の確立が必要です。そして、そのための話し合いを契約社員たちと行なうことが本件解決策の糸口となるでしょう。

参考1雇止め(契約期間満了後の不更新)について
期間の定めのある契約は期間の満了により当然に終了しますが、期間の定めがある労働契約が長年にわたって反復更新されているような場合は、期間の定めがない契約と同一視されることがあり、不更新は実質的解雇として解雇に関する法規制が類推適用され、雇止めは特段の事情がない限り、信義則違反として無効とされた判例があります。(東芝柳町工場事件)

参考2労働基準法の改正について
労働者が主体的に多様な働き方を選択できる可能性を広げると共に、働き方に応じた適正な労働条件が確保され、トラブルの防止や解決に資することを目的として労基法が改正され、次に挙げる項目が平成16年1月1日より施行されています。
(1)有期労働契約について
1.契約期間の上限が原則1年から3年に延長(一定の場合は特例として5年)
(法第14条) 2.厚生労働大臣が「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を定めることができる旨の法文上の明記(法14条)
3.1年を超える期間を定める労働契約については、1年を経過すれば期間の途中でも労働者からの退職(中途解約)の申し出が可能となった

(2)解雇ルールの確立
1.解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効(法18条の2)
2.解雇の予告から退職までの間でも、労働者は解雇理由の証明書の請求可(法22条)
3.就業規則に予め解雇事由の記載を強制適用(法89条)
4.労働契約の締結時、退職に関する事項として解雇の事由の書面による明示(法15条)

(▲ページのトップへ)


SRアップ21