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中小企業経営者への法務実務アドバイス(第39回)
子供の余命があと1年…
成績優秀な支店長が豹変した…!?
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SRアップ21熊本 (執筆担当は文末) |
| ■ 事例概要 |
T社の営業地図の中で売上、面積共に大きな地区は、K支店長が束ねる地域でした。K支店長は、勤続30年、奥様と18歳の長女を抱える58歳の社員です。リーダーシップに長け、配下の営業マンをみごとに掌握していました。しかし、数ヶ月前からK支店長の様子がおかしくなってきました。普段は誰よりも早く支店に出勤していたのに、まずは遅刻が多くなり、そして半休も多くなりました。最近では1週間のうち3日くらいしか支店に顔を出しません。しだいに営業社員の士気は低下し、目に見えて支店の営業成績は落ち始めました。М社長は激怒し、K支店長を本社に呼びつけ、事の次第を問いただしました。「実は娘が難病を患っていまして…後1年もつかどうか…介護休暇をとろうにも妻がいるので無理、と総務から言われて…しかし、妻も過労気味で…やむを得ず…」後は言葉になりません。さすがの社長もそれ以上は追及できませんでした。K支店長を帰した後、「後1年か…、しかし定年まで後2年だし、少し待ってからという余裕もないしなぁ。どうしたものか…」本社の幹部達に事情を話して協力を求めました。
すると意外にも「退職させたほうがいい」「これまでの功績に慢心して自分勝手に振舞うのはよくない、昨今の勤怠は懲戒ものだ」「このまま支店長にしておくと営業社員がだめになる」等々厳しいものばかりです。
社長は思ってもいなかった反応に途方にくれてしまいました。 |
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| ■ T社の概要 |
創 業: 昭和55年 本社 熊本市
121名(パートタイマー17名)
業 種: 電子精密部品卸売業
経営者像:西日本地区に支店5箇所を擁するT社のМ社長は63歳です。M社長の腹心の部下のうちトップクラスの5人が、T社の各支店長として頑張っています。5人の支店長はそれぞれに持ち味があり、統率力もあり、М社長は安心して営業戦略に集中することができていました。
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| ■ 事故発生の背景 |
T社では、従来から支店長の勤怠等については、まったくタッチしていなかったので、K支店長の変化を見過ごしてしまっていました。部下たちも「支店長は本社の勅命で動いている」くらいにしか思っていませんでした。
いくら仕事ができる人であっても一人の人間です。ある状況によっては自己を見失い、自己中心的な考え方に終始する場合があることを、T社の誰も理解していませんでした。
よって、本件のような事案についての対処方法、法的な知識が不足していたことは、否めません。 |
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| ■ 経営者の反応 |
М社長は本社幹部の意見を取りまとめ、再度K支店長と話をしました。話の内容は、休職(無給)の提案と退職(特別に定年退職扱いとする)でした。
K支店長は「休職といわれても定年直前で職場復帰させてくれるのですか、待遇はどうなるのですか、いいや、辞めろということなら辞めますが、これまで家庭を顧みず頑張ってきたのに…この仕打ちですか…私も落ち着いたら対抗策を考えますよ」
かなり後味の悪い別れ方をした後に、何の結論も出ていないことにМ社長は気づきました。
「早く何とかしなければ…」М社長は相談先を探すことにしました。 |
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